高額介護サービス費について

2020年01月31日介護関連情報

高額介護サービス費とは、介護保険を利用して支払った自己負担額の1割(一定の所得がある方は、所得に応じた自己負担割合が2割または3割)の合計が一定金額を超えたとき、超えた分のお金が戻ってくるという制度になります。これは、国の制度に基づき各市町村が実施するものになり、同月に一定の金額を超えた場合に、申請によって支給されます。

高額介護サービス費は、残念ながらあまり知られていませんが、健康保険の医療費控除を想像して頂くと分かりやすいのではないかと思います。 医療費控除は、一定額以上の医療費を年間で支払った場合に、収めた税金の一部が戻ってくるという制度で、サービスを利用した人の費用負担を軽減してくれるシステムになります。

これと同じように、高額介護サービス費は、負担上限額によって払い戻しされ費用負担を軽減してくれるシステムとなります。 では、どのような対象者や費用負担の上限があるのでしょうか。 サービス対象者は、大きく分けて、6種類の対象者があります。世帯に現役並みの所得者がいる人、世帯に市町村民税の課税者がいる人、世帯全員市町村税非課税の人、前年の合計所得金額と公的年金の収入額の合計が80万円以下の人、生活保護を受けている人が対象者になります。

また負担上限に関しては、世帯に現役並みの所得者がいる人と世帯に市町村民税課税者がいる人は負担上限が44,400円、世帯全員市町村村民税非課税の人がいる場合には、 24,600円、前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が80万円以下の人は、世帯では、24,600円,個人では15,000円、生活保護を受けている人は15,000円という負担上限となっております。

例えば、分かりやすく説明すると、世帯全員市町村税非課税となる対象者が介護サービスを使った金額として30,000円支払っていた場合に30,000円から24,600を差し引いた54,000円が払い戻されるという計算になります。 あと注意しなければならないのは、高額介護サービス費の対象となるのは、あくまでも介護保険制度を使って受けられるサービスのみとなるので、仮に老人ホームに入居した場合の住居費用や食費、差額ベット代や福祉用具を購入した場合の費用などは高額介護サービス費の対象外となっております。

最後に高額介護サービスの申請方法ですが、介護サービスを利用すると、支給の要件を満たす方へはその約3ヶ月後に、通知と申請書が届きます。 届いた申請書へ必要事項を記入しましたら、市町村への提出となります。

一度申請すると、それ以降の申請は不要となります。 (自治体によって通知時期や申請方法が異なる場合がありますので、各担当窓口までご確認下さい)

申請の際には、申請書のほかに介護サービスを利用した領収書が必要となりますので、領収書は大切に分かりやすい場所に保管して頂くようにお願い致します。

なお、高額介護サービス費用の支給申請は、2年以内の行わないと時効によって権利が消滅してしまいますので、忘れないうちに早めの申請を心掛けるようにしましょう。