住所地特例制度

2020年01月31日介護関連情報

家族が有料老人ホームに入居する場合は、どうすれば良いでしょうか? 施設を入居する上であまり知られていないのが、住民票や住所変更です。 今回は、老人ホームに入居する場合の住民票の扱い、転居の際に条件によっては介護保険などの費用を抑えられる「住所地特例制度」の特徴についてお伝え致します。

基本的には、住民票の場所である老人ホームに住所変更して頂くのですが、例外として住民票を移さなくても良いケースがございます。 住民票を移さなくても良いケースは二通りあり、ひとつは、転居先に住むのが一年未満の場合、もうひとつは、本拠地が変わらない場合が住民票を移さないで良いケースとなります。

現在住んでいる老人ホームから別の地域老人ホームに引っ越す場合、現在お住まいの市町村よりも、転居先の方が介護保険などの費用が高くなる場合があります。 別の自治体の老人ホームに転居しても、今までと同じ保険料で給付を受けたい。 そういったときに役に立つ制度が住所地特例制度です。

住所地特例制度とは、老人ホームに転居して別の地域に住民票を移した後も、以前住んでいた市町村に保険料を支払い、介護保険の給付を受けることができる制度です。

基本的に介護保険制度は住民票がある市町村に保険料を支払い、介護保険給付を受ける仕組みで成り立っています。しかしその場合、施設が偏在している市町村に介護サービス給付費の負担が集中する事を防ぐ為にとられています、 住所地特例制度は、そういった財政負担を解決する為にうまれてきた制度です。

住所地特例の制度はメリットしかなく、デメリットはありません。 ただし、介護施設に入居の為に転居する方が対象となりますので、一般住宅への引っ越しは制度の対象外となりますので注意が必要になります。

住所地特例の対象者は65歳以上の方、40歳以上65歳未満の医療保険加入者(要支援・要介護度などの介護認定がない自立の方も対象者に含まれます) 住所地特例の施設には、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、ケアハウスが対象になります。

サービス付高齢者住宅は「特定施設入居者生活介護の指定を受けている」「有料老人ホームに該当するサービスを提供している」「契約が利用権方式」など条件に該当する場合に限ります。対象施設についての詳しい情報を知りたい場合には、市のホームページをご参照下さい。

では住所地特例制度が適用される場合の手続きはどのようにすればいいでしょうか。 住所地特例制度の手続きには、「住所地特例適応届」と「転出前の住所が記載されている介護保険被保険者証」が必要になります。

市町村によって住所地特例制度の手続きの方法が異なる事がございますので、住所地特例制度を利用したい場合は、市役所の高齢福祉課などの担当窓口や転居先の施設にご相談下さい。